yakouseki

変 奏2009/03/12

白鍵だけの

晴朗な連弾

ふいに止み



ふたりとも

いなくなった





鉄塔のめぐりで

夜鳴きする風を

風が誘い

はるかな花陰へ

もつれつつ吹き



夜すがら



舞いちる花びらの軌跡を

つまびくあそび



月光の抑揚

傷の脈

やにわにふくらみ

しずまる

草木の嬌笑



ゆたかにおののく

影の変幻



あたらしい季節の触手が

風の喉から

ゆるやかに伸び



ゆるやかにのび



なめらかに添うまで



















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