yakouseki

波 紋2009/04/21

ひかえめに打つ





まどろむ窓に

ゆるい波紋を





あの人もまだ

ゆめのはざまのぬかるみに

よごれた悔いを

眉根に残して



珈琲の瀞(とろ)に

影を鎮めて



けだるく撓う頬杖に

蒼ざめた蔓(つる)の

巻きのぼるまま

手首からうなじへ

廻りこむまま



焦点とおく滴らせ



語れば

翳る



机上の夕暮





対岸から見ているわたしの

足許にも

いつしか這い寄る

さみしい蔓



巧みに巻いて

眠らせて



打ちよせる



ゆめのことのは、



ことのはの紋、


















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