yakouseki

一輪挿し2010/08/05

風がほら
かぼそく泣くから
おまえは泣くな



おまえは口の欠けた




窓辺の孤立に敏感な
月光をまとい



鼓動からはじまる音楽が
ゆらす夢に憂いを溶かし



いつのまに深くなる
たましいの科(とが)



蒼ざめながら
哀しい水に満たされていく
借りもののからだ
だが



風まどう遥かな原野で
一心に
乱暴に手折られた花が似合う



おまえは泣くな




































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