魚みな水縹(みはなだ)の衣(きぬ)を着ていく
天の清流に
仰ぐ眸(ひとみ)のひわやかな
ひかりささげ
なにものも伴なえない
みちゆき
巣の焚き殻かおる
迷神(まよいがみ)の蓬髪なびく野
あまねく霧の息のべる山河に湿り
もとめるほどに
しりぞく
よすが
なぜなの
さむい血の咆哮
もてあます軀をかがめ
うつろにほろろぐ土くれの
かすかに温(ぬく)い
もろさに
よみがえる
やさしい破顔
土を撫で
小石と
小鳥の骨を選り
ねむくなるまで土を
なでていると
幼い汚れにしのびよる
せせらぎが
そっと
なでてくれる
たてがみ
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