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三神恵爾コラージュ作品集と『がいこつ亭』2019/06/17



三神恵爾コラージュ作品集『鳥の降り立つ庭で』が完成し、
お送りいただきました。






画家で批評家の三神恵爾氏は、詩や短歌、小説も書かれ、表現方法の抽斗が無限にあるような方ですが、コラージュ作品はとりわけ三神氏の美意識と社会(世界)への問題意識がひとつの画面に鮮烈に集約されていて圧巻です。

作品集の冒頭、緑川ルイ氏が書かれていた解説の中の、
「・・彼の制作する仕事机を想像するなら、良く切れる愛用のハサミで切り抜かれた人物や風景やらの残骸が細々と、元の形を失って散らばっている風景が見える。それらはまるで、テロや戦争で破壊された瓦礫や吹き飛ばされた死体のようではないか。そんな彼にとってのコラージュとは、だからこそ新たな世界をアートとして構築しなおす、死と再生の儀式と無関係ではない。・・」
という一文が、三神氏の仕事について見事に言い当てていると感じました。



そんな三神氏が発行している、詩と批評と映画のフリーペーパー文芸誌『がいこつ亭』が、このほど100号に達しました。


横書きのページは左開き、縦書きのページは右開きのため、表紙は両面にあり、三神氏の美しいコラージュ作品が贅沢に楽しめます。
本文に添えられた繊細な挿画も素晴らしいです。

隔月刊で100号まで続けるというのは並大抵のことではないですね。
今後は年4回の発行になるとのことですが、益々充実の誌面になることでしょう。


『がいこつ亭』100号 後記





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