yakouseki

札幌の7月2020/07/16


光子(てるこ)さんが緩和ケア病棟のある病院に転院するとき、
晴天でした。
介護タクシーの窓から、青い空、鮮やかな新緑の樹々、
豊平川のきらきら光る水、移りゆく札幌の街並みを眺めて
光子さんは「きれいきれい!」と
子どものようにはしゃいでいました。

光子さんのベッドが病室の窓側に移動になった日、
晴天でした。
「うわ~、明るい! 私、明るいのが大好き! 」と
光子さんは大喜びでした。窓いっぱいの青空でした。

光子さんの病状が深刻になり、どうしていいかわからずに
光子さんの父母の眠るお墓の前で泣いた日、
晴天でした。
汗ばみながらお花を供え、光子さんの待つ病院へ向かいました。
その夜、夢に祖父(光子さんのお父さん)が来て
私の手を握ってくれました。

光子さんが息を引きとったとき、
病室の窓から金色の光がパーッと差し込んで
光子さんの顔を照らし、全身を包み込みました。
それはとても不思議な光景でした。

光子さんと一緒に葬儀社の車で斎場に向かうとき、
晴天でした。
青い空、少しだけ濃くなった樹々の緑、
豊平川のきらきら光る水、移りゆく札幌の街並みを眺めて
嬉しそうに声をあげる光子さんはもういません。

ただただ眩しい光のそそぐ
晴天です。








毎日、光子さんのそばにいてくれた柴犬のレンちゃん。

「レンちゃん」とは光子さんによる命名で、
柴犬→柴錬(柴田錬三郎)→錬ちゃん、なのだそう。






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