このごろのこころ ― 2024/08/07
氷解しえない心と心がぶつかって
傷を負うことがある
どちらが多く欠けたかは
わからないけれど
互いに自分のほうだと思っているだろう
哀しみ、苛立ち、不信感、徒労感…
定まらない感情の充満した私の
身めぐりの空気は澱んでいる
長く眠れていないと
神経はむきだしになっていき
音の刺激は痛すぎるため
音楽は聞けない
ベッド脇の書棚から
手に触れた詩集を引き抜いて
やさしい詩を読んでみる
文字の混んでいないものがよい
空気の澱みをふっとうごかしてくれる
遠くから来た風のような
きよらかな呼気のような
詩の一節に出逢えたら
私は護られている
と思う