yakouseki

同人誌「蓮」11号2017/11/27

ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、私の所属していた詩歌探究社「蓮」の同人誌が11月初めに発行された11号をもって、終刊となりました。
今までお読みくださったみなさま、蓮の共同代表のおふたり、同人のみなさま、ありがとうございました。
発表の場を与えていただいたおかげで、詩や短歌作品を久しぶりに集中して読んだり書いたりすることができました。
別冊HASUを企画させていただいたことも貴重な経験でした。
これからもいろんなことにチャレンジしてみたいです。
たいてい無謀なチャレンジで、多くの方々のお力をお借りすることになるのですけれど。
これからもよろしくお願いいたします。


「蓮」終刊号の作品について、今回も三神恵爾さんが書いてくださいました。
遅くなりましたが三神さんのFacebookより転載させていただきます。


                            

 孤独の音 ー糸田ともよの短歌最新作

 送っていただくたびに紹介してきた、糸田ともよさんが参加されている文芸同人誌『蓮』が、今回の11号で最終号になるそうだ。
そういうこととは関係はないだろうが、今回の糸田さんの短歌作品は、今までで最も分かりやすい言葉を多く用いて、馴染みやすいものになっていると感じた。糸田さんは何より言葉に心を砕く表現者の一人で、私のようにパサついた散文的な言葉と違い、もっと知られざる日本語の美しさに精通している方だ。
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一首めは夢から覚めて帰還する光景だろうか。「おぼろに目鼻のある月」が残ったと書いてある。ちょうど『魔女たちのあさ』という絵本を、絵本講座の下調べで読み返していたので、そこに描かれている、目鼻のある大きな月の顔を思いだしてしまったが、どこかユーモラスな味わいがある。四首めは、「母が刺した一羽の小鳥」と読んでついどきりとさせられたが、すぐにそれが「刺繍」の話だと分かり、安堵する。「子の心ひらいて鎖じて」という歌も面白いと思う。それが「たぷたぷと眼に満ちる桃のシロップ」と続くことで、何やらやはり、シュールな気配すら漂いだす。
そして最後に置かれた、「育ち盛りの孤独」という言葉がいい。どうイメージすれば良いか、少しだけ迷ってしまうが、孤独もまた成長したり萎んだりするものなのだろう。そう考えるなら、孤独もまた、中途半端に未発達のまま放置しているから、下手に悩んで自殺願望などを生みだしたりするのかもしれない。孤独も徹底し、自己の奥深いところで、自立させることが大事なのかもしれない。そうやって読んでゆくと、「こまどにことり」とあるタイトルが生きてくる。心の窓に訪ねてくるのはやはり、もう一人の私という、まだ見ぬ自分かもしれないではないか。してみると、分かりやすい歌にみえてやはり、糸田さんならではの世界がちゃんと紡がれている。「開かずの仏間に夕立」とは、タルコフスキーも驚くような、水の光景だ。「蝉しぐれ」の歌といいこの歌といい、そこには壮絶で荘厳な孤独の音が響いている。
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 *写真も三神恵爾さんの撮影です

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作品世界のひとつひとつに分け入ってもらえること、作者にとってそれほどうれしいことはありません。

多くのことを学ばせていただき、三神さんに、またそのように読んでくださっていたみなさまに感謝申し上げます。

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同人誌「蓮」は終刊になりましたが、共同代表二名による「詩歌探究社蓮」は存続しております。

石川幸雄さんと森水晶さんによるブログも更新中ですので、ぜひご覧ください。

 詩歌探究社 蓮のブログ

 http://blog.goo.ne.jp/ys1818hasu

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