消 印 ― 2010/10/30
夕ぐれの窓を抱え
空腹のポストのように
走り出す
偏りかたより
つらなる一刻に膿む
ひとしずくの灯に
半身を染め
ゆめの膏薬ぬれひかる脚
もつれつつ加速すれば
路肩へ捌(は)けていく
痩せた分身たち
辻辻で
ふりほどかれた掌(て)は焚かれ
はぜる鼓動をついばみにくる鳥は燃え
空の深みへ墜ちていくその
きなくさい軌跡に沿って
夜を開封していた
なまじろい指の
なみだつ指紋の
ひそやかに暮れのこる
窓を抱え
.
空腹のポストのように
走り出す
偏りかたより
つらなる一刻に膿む
ひとしずくの灯に
半身を染め
ゆめの膏薬ぬれひかる脚
もつれつつ加速すれば
路肩へ捌(は)けていく
痩せた分身たち
辻辻で
ふりほどかれた掌(て)は焚かれ
はぜる鼓動をついばみにくる鳥は燃え
空の深みへ墜ちていくその
きなくさい軌跡に沿って
夜を開封していた
なまじろい指の
なみだつ指紋の
ひそやかに暮れのこる
窓を抱え
.