yakouseki

きみの声を思いだした2014/06/13


真夜中の郵便箱に

白い包み



あったりなかったりする

ゆめの中のぼくの住所

なぜわかったの

それともぼくが

しらせたのかな



うすいグラシン紙を

はがしてもはがしても

あらわれない本

あるいは手紙



そのままさわさわと季節はめぐり



あったりなかったりするぼくの部屋は

今夜はなくて



耳の奥の空き地に

透明な水の音盤がひろがる



先回りする喪失感に似た

雨のうた



きみの声を

思いだした