いつもの・はじまり ― 2023/12/10
いつもの・はじまり
一斉に飛びたつ群を追わず
枝先でいつまでも
小さくゆれている鳥影
夜はそこから
広がるんだね
ほんのり
雪のにおいがして
白磁の月の顔色で
道を尋ねる

tomoyo itoda
道に迷って日が暮れて
すべての境界は闇に撹拌され
波音近く聞こえるけれど
汀線はどこ?
砂で重くなった靴を脱ぐと
ぼんやり灯る椅子がある
すこし浮かんで
休みましょう
*このサイト内の詩・写真・絵などの無断転載はご遠慮ください。ブログのURLをご紹介くださるのは歓迎です。糸田ともよ