yakouseki

泡 雪2011/11/24

ねむい密談に

梨のような蠟の香り

よぎり



ことばより深く

なやましい風友の眉間に横たわるふたり

口ごもるとき微かに

発熱するくちびる噛む



冬の朝のくらがり



いつ醒めたのか

おぼえのないまま



旅先らしき室内を見わたす

視線は浮遊する

水母のように



飲みのこしの水

壁うつす鏡

遮光カーテンの濃紺のドレープドレープドレープ



日時らしき微光の数字の尾をひいて



あなたの眼の淵に沈みこみ

ゆらゆら明るむ水母

やにわに襲う水圧に細裂しては



雪のように舞う

























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