死者と生きる ― 2024/03/28
26日、歌人の福島泰樹氏が来札。
中森敏夫の一周忌追悼短歌絶叫コンサートでした。
会場では
現代短歌を中心に北海道文学を牽引する田中綾さんと
彼女の勤務する大学の院生の方々、
歌人の山田航さんなどと同席。
福島泰樹さんは故菱川善夫先生とともに
私が短歌を始めるきっかけをくださった方です。
福島さんの短歌絶叫コンサートを初めて
吉祥寺の曼陀羅で体感したのは約30年前。
30余年の歳月が流れたとは思えない
福島氏のパワフルなステージ、
ドラムや鍵盤奏者との一体感も熱く、圧巻でした。
『走れ、小僧』などは槐多の絵具が迸る幻影が見えるほど。
去年の3月は訃報が続きました。
菱川善夫先生の奥様で画家の菱川和子さん。
中森花器店~テンポラリースペースの主、中森敏夫さん。
児童文学作家の加藤多一さん。
このお三方には、文学活動を続けるうえで
私はたいへんお世話になり、しかし
まともなお礼の言葉も言えないままのお別れとなり
悔いがありました。
けれど私たちは死者とともに生きていることを
福島さんはおしえてくれます。
悔やむのはまだ早いのでした。
私はもう短歌は作らないかもしれないけれど
文学は続けます。
その日、田中綾さんからいただいた『華と硝煙』。
春日井建の「硝煙の地より戻りし青年の金のうぶ毛が優しまれゐる」
に由来するらしい表題も、題字も美しい。
北海学園大学人文学部 田中綾研究室より創刊された歌誌で、
頁をたどれば執筆者たちも菱川善夫と生きていることがわかります。
心して読ませていただきます。
歌人の山田航さんはなんと、家がご近所でした。
コンサートの帰りに電車の中でいろいろお話しできたこと、
道産子の親しみが嬉しかったです。