yakouseki

叢 雨(むらさめ)2010/02/16

描いては消し

逢いに行っては隠れ



バス停に立てかけられた

骨だけの傘



雨のにおいが創る

ひもじい濡れた犬の眼に

うつる眼



みずの









遠くから歩いてきて

遠くへ歩いていく

人の背に帆の

ちいさくはためく音だけがして



ふたたびふる雨の気持ちを

うけとめる



ゆうぐれの鎖骨



みとられず

しずむ日に

ささげるように



あらがわず

あらわに白く



なよやかに濡(そぼ)ち


















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