yakouseki

風 脚(かざあし)2011/10/05

やわらかい

おゆをまとうよう

うすももいろの夕暮れを



走りつかれた子

漂って



堤防はつづき



風のよどみに

毀れたことばが浮く

融けない破片の

うらおもて



耳をたたむと

ふくらむ夕声

せりだす背景



膝にひろがる草の染み



徒名(あだな)後味(あとあじ)

待合室のかたすみの

不整脈



間歇的なつまずき

疼き

どこまでも



堤防はつづき



ひとり



おもいなおすことは

いきかえること



ゆれながら

ひかりを孕み



花はみな

奏でられたもの



川下へ



風もまた

おもいなおしたように

花いっぱいの乳母車をおして





















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