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花の日 ―蓮― ①2014/09/08




詩歌の同人誌『蓮』に作品を寄せるようになってから、″蓮″のことが気になり始めました。

 

私の住んでいる札幌市内には、睡蓮の池はいくつかありますが、蓮の花は見たことがありません。

そもそも北海道に蓮は咲くの?

 

そんな疑問が生じたまさにそのタイミングで、蓮に詳しい人との出逢いがありました。

 

北海道にも蓮池は複数存在すること、そして知る人ぞ知るその場所もおしえていただきました。

 

さらに、蓮という植物についての生態学的、歴史的(渡来の経緯や言い伝えなど)解説を文学的に綴った貴重な資料もいただき、私の蓮に対する興味と憧れはますます膨らんでいったのでした。


 

 

 

最初に訪れたのは、817日。北広島市の旧島松駅逓所です。

クラーク博士が「青年よ大志を抱け」という名言を残した地として、記念の碑が建っています。


蓮の池は、1878年に中山久蔵氏が初めて栽培に成功した当初よりもかなり縮小されているとのことですが(一度、蓮が全滅してしまったようです)、青々と立ち上がる蓮葉のあわいに一輪の美しい花が咲いていました。





 一輪の蓮が咲いて散るまでの期間は4日間、花容の最も美しく安定するのは開花から二日目とのことなので、ちょうどその日にこの一輪の蓮と出逢えたことになります。

 




蕾のものも、すでに花びらを落として花托だけになっているものも、大きな葉のいちまいいちまいも、想像以上に生命力漲る、これまでに出逢った花たちとは異なる存在感でした。




 

いただいた蓮の資料のなかで興味深かったのは、紅蓮と白蓮の共存が難しいということでした。一所に植えると白蓮の方が滅びてしまうそうです。


蓮の栽培自体が北海道ではなかなか難しいようですが(以前、この島松の蓮池から北海道庁の池に株分けされた蓮も育たなかったそうです)、いつかそんな稀少な白蓮にも出逢ってみたいです。