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菱川善夫講義録『塚本邦雄の宇宙』2019/07/20





昨年(2018年)6月3日発行『塚本邦雄の宇宙』Ⅰ・Ⅱ巻は、2006年4月から4期にわたり、朝日カルチャーセンター札幌にて開かれた菱川善夫先生の現代短歌講座を再構成したものです。

菱川先生が塚本邦雄の短歌鑑賞の講義をされていることを知って私が受講を始めたのは1993年のことです。
途中からの入会で、ときどき欠席もしのたで、毎回講義を録音していた受講生の方が録音テープを貸してくださいました。
親切な方ばかりでした。
現在、短歌評論家として活躍されている田中綾さんと出逢ったのもこの講座です。


ダビングさせてもらったカセットテープ


当時の私の雑なノート(誤字も多い)



私は1995年頃に教室をやめてしまい、2002年には第一歌集出版のことで菱川先生にひとかたならずお世話になりましたが、それ以降は短歌からも遠ざかっていたので、菱川先生がおよそ10年後の2006年からも塚本邦雄短歌の講義を再開されていたことを知りませんでした。

この『塚本邦雄の宇宙』を読んでいると、菱川先生の声(口調)、力強い板書の音までリアルに蘇ってきます。

私が欠席した日の講義ノートをコピーして手渡してくれた友人、また、貴重な録音テープを気前よく貸してくださった先輩。
「私がいなかったときの講義内容」が今回もこうして…『塚本邦雄の宇宙』の発行により(菱川先生の奥様から)差し出されたこと、
しっかり受けとめていきたいです。







*塚本邦雄の「塚」は真ん中に点「、」が入ります。 邦雄の「邦」も正しくは左の三本線の一番下の線が右上がりになる字です


『短歌往来』(ながらみ書房)2019.7月号は、特集「菱川善夫の批評と精神(生誕90年)」です。ぜひお読みください。