yakouseki

よそのくに2012/12/04


まちぶせて笑ったり
たどたどしく枯葉を読んだり
髪の中に入ってくるかわいい風に
やわらぎながら

さしかかるそのひとのくにの
たたずまい

どこにでもありそうで
ないくには笑顔の地形

わたしが立ち入ると
少しずつ変わる

橋梁のいろ

水源池の方角

道の粘度

光の声域

瘴気の濃淡

野の香味




さっきまで親しかったかわいい風は
肩から剥落し足下に冷たい
タイルを敷きつめる

しだいにわたしも冷たくこわばり
欠ける



整地したいそのひとは
はじめから笑み
尖る無言を均したい

けれど何かが足りなくて

思いだそうとするように
ななめをみている

自在にうまれるかわいい風が
枯れ枝の棒を
無邪気に振っているあたり





















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