まちぶせて笑ったり
たどたどしく枯葉を読んだり
髪の中に入ってくるかわいい風に
やわらぎながら
さしかかるそのひとのくにの
たたずまい
どこにでもありそうで
ないくには笑顔の地形
わたしが立ち入ると
少しずつ変わる
橋梁のいろ
水源池の方角
道の粘度
光の声域
瘴気の濃淡
野の香味
さっきまで親しかったかわいい風は
肩から剥落し足下に冷たい
タイルを敷きつめる
しだいにわたしも冷たくこわばり
欠ける
整地したいそのひとは
はじめから笑み
尖る無言を均したい
けれど何かが足りなくて
思いだそうとするように
ななめをみている
自在にうまれるかわいい風が
枯れ枝の棒を
無邪気に振っているあたり
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